マリー動物病院 | 整形外科

埼玉県川越市の動物病院、マリー動物病院

マリー動物病院 整形外科

整形外科とは、運動器官を構成するすべての組織、骨、軟骨、筋肉、靭帯、神経などの疾病や外傷を対象として、その病態の解明と治療法の開発および診療を行う専門領域であると人間の整形外科学会に記載されています。実に幅広い分野を含んでいることがわかります。

当院では、身体検査やレントゲン検査に加えて、整形学的検査や神経学的検査などを組合わせて診察を行っています。もちろん、CT検査やMRI検査が必要な場合もありますが、なるべく病気を正確に把握するように努めています。

この整形外科のページでは最も明瞭にわかる骨折や脱臼、関節炎について記載しましたので、ご興味のある飼主さんはご覧ください。

整形外科

骨折

原因

骨折は、様々な部位で認められます。前足では橈骨と尺骨の骨折が多く、後肢に関しては下腿骨と大腿骨の骨折が殆どです。前肢、後肢ともに、その原因は落下により起こります。抱っこしていて、高所から、あるいは自転車のカゴからの落下です。交通事故を原因とする骨折は、殆ど見受けられなくなりました。

症状

骨折をしたペットは患肢を地面に程んど着けずに持上げています。身体検査では、触れると凄く痛がります。骨折部位は時間の経過とともに腫れて内出血等を示します。また、肉眼で骨折部位が変形していることが解ることもあります。

検査

骨折の可能性が高い場合にはレントゲン検査が必要になります。レントゲン検査をすることで骨折の有無を確認します。骨折している場合にはどの様に骨折しているか?を2次元的に確認することができます。だだし、関節内の骨折などレントゲンでは確認し難い場合にはCT検査が必要になる場合もあります。

検査

治療

骨折していた時には治療は外科手術になります。手術は折れた骨を安定に保つ目的で行います。簡単に言うと、折れた骨を鉄の板(骨プレート)とボルト(骨ネジ)を使って結合させる手術です。指などの小さな骨に関しては鉄の棒(キルシュナーワイヤーピン)を使用する場合もあります。

骨プレートは骨折した骨の形態に合わせて様々な形のプレートが用意されています。中々適合しない場合もありますので、私の場合は入念な準備が必要になってしまいます。準備ができたら手術になります。

骨折手術の詳細はこちら

治療

手術前の処置

手術前は痛み止めの注射や内服薬を処方しています。また、副子固定をすることができるペットには行っています。ただし、痛みに敏感なペットさんにおいては触れただけで暴れてしまう子もいますので、その場合には行っていません。手術の準備ができるまでご自宅で大人しく過ごして頂いています。写真は各サイズの副子を並べてみました。

手術前の処置

術後ケア

術後の入院は、概ね3週間前後でしょうか?術後の処置としてはやはり化膿止めと術創の消毒、副子交換そして運動を制限して過ごします。手術部位が細菌により化膿しないように抗生物質の内服薬を投薬します。また、術後は副子により患肢を保護しますが、臨機応変に副子を用いずバンテージ固定のみを行う症例もいます。副子固定を行った場合には、1日おきに副子を外して手術創を確認して消毒し、また副子あるいはバンテージによる固定を行っています。

猫の骨折においては、消毒と運動制限、化膿止めの投薬のみ行い、副子などで固定した経験はありません。固定すると暴れてしまう危険性が高いからです。そもそもですが、副子固定をする理由はプレートなどに過度のストレスが掛からないようにするために患肢を保護しています。過度のストレスが繰返しかかることにより金属疲労が生じてプレートが破損する危険性があるためです。

退院後の生活

退院後の自宅での生活は、なるべく安静にして床などが滑らないような工夫をして頂き、運動も徐々に増やして行くと良いと思います。時々、退院した瞬間から飼主さんの顔を見て、嬉しくて暴れてしまう子もいますので十分に気を付けましょう。

骨プレートの除去について

プレートの除去については、全身麻酔をかけてた状態でプレートを除去します。除去する時期は、骨折が完全に癒合した後に行います。プレートを除去する目的は、プレートに反応して化膿してしまう時、冬に痛みを伴う時です。極々僅かな確率ですが、プレートに反応して、腫瘍が発生することが報告されています。

骨プレート除去手術の詳細はこちらから

骨プレートの除去について

脱臼

原因

脱臼は、骨と骨とを繋げる関節が外れてしまい、骨同士が連動せずにスムーズな動きが出来なくなった状態です。前肢の主な関節は肩関節、肘関節、手根関節です。同様に後肢の主な関節は、股関節、膝関節、足根関節があります。小型犬で最も多い脱臼は、後肢の膝蓋骨内包脱臼と思われます。これは、膝関節で上下運動する膝蓋骨が滑車溝から外れてしまう脱臼です。脱臼も骨折と同様に原因は高所からの落下や転倒、過度なストレスを伴う動きや骨格的特徴などが挙げられます。

症状

前後肢の脱臼した場合には、脱臼した肢を挙上させていることが多いと思われます。痛みは骨折よりはありませんが、違和感と鈍痛があると推察されます。前・後肢以外の関節の脱臼に関しては、脱臼した部位により異なる症状を示します。

検査

いづれの脱臼に関しても触診にて可能性を考慮して、脱臼の可能性があるペットはレントゲン撮影して脱臼の有無を確認します。レントゲン写真は2次元的に脱臼があるか否か?また、どの様に外れているのか?確認する事ができます。

検査

内科治療

亜脱臼などは脱臼を整復した後、痛み止めの注射や内服薬を処方しています。再脱臼する可能性がかなり低い場合に選択します。例えば、一時的に起きた膝蓋骨内方脱臼などの場合に適用します。

外科治療

当院の場合では、股関節脱臼や繰返す肘関節脱臼、膝蓋骨内方脱臼などは手術になるケースがあります。各脱臼の手術に関しての詳細は後述させて頂きますが、いづれも関節が外れないように手術を行います。

小型犬の膝蓋骨内方脱臼などは、様々な頻度で繰り返す傾向があります。また、私の経験で恐縮ですが、股関節脱臼や繰返す肘関節脱臼は用手により整復しても、すぐに再脱臼してしまう経験ばかりですので、当院では手術による治療を行っています。

股関節脱臼の詳細はこちらから

膝蓋骨内包脱臼の詳細はこちらから

肘関節脱臼の詳細はこちらから

関節炎

関節炎とは関節に起こる炎症性変化を指し、関節症とは関節の非炎症性変化を指しまます。変形性関節症とは、関節軟骨の変性や骨辺縁の肥大、滑膜の変性を特徴とした原発性の非炎症性変形性関節疾患(DJD)である。

上記のように関節疾患には大きく分けて炎症性と非炎症性に分けられます。さらに細かく分類されています。

症状

慢性あるいは急性に様々な程度の跛行(びっこ)を示します。年齢や体重、品種年齢に関係なく認められることが多いようです。関節の腫脹やその周囲の筋肉腫れ、関節可動域の増減、関節疼痛、安定性や捻髪音などの変化や異常を認めることがあります。

検査

当院では、身体検査や整形学的検査を行った後レントゲン検査を行います。レントゲン検査では、関節を撮影して骨や軟骨の変化、関節液の変化、関節周囲の軟部組織の変化などを観察します。もちろん、初期の関節疾患ではレントゲン写真において変化が認められないこともあります。必要であればCT検査などをご提案させて頂くこともあります。CT検査では3次元で可視化できるため、より明瞭に骨や関節の変化、遊離骨片のの検出に有効です。他に関節液の採取や超音波検査、MRI検査なども行われているようです。

診断

診断は動物の病歴、臨床症状、上記の各検査結果に基づいて総合的に行われます。

治療

特定の関節症には、疾患別に治療法は異なります。ここでは関節疾患に関する内科治療の共通した原則を記載します。1.体重管理:体重の増加は関節の負担を増し、関節疾患の進行を早め、悪化させる可能性があります。2.栄養補助食品(サプリメント)の利用:オメガ3脂肪酸により抗炎症作用効果により疼痛緩和効果が期待されます。3.運動療法:各症例ごとに異なるが、適切な運動が非常に重要であると知られています。4.リハビリテーション:これは関節を強化し、持久力を高め、可動域の増加させることを目的にしています。5.内科治療:非ステロイド系抗炎症薬や軟骨保護作用のある医薬品や抗生物質、コルチコステロイドなどをペットの各疾患に適した医薬品を使用することが重要です。

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