神経病|埼玉県|川越市|マリー動物病院

埼玉県川越市の動物病院、マリー動物病院

神経病|埼玉県|川越市|マリー動物病院

神経病は解剖学的に原因のある場所により、脳疾患、脊髄疾患、末梢神経、筋肉疾患に大きく分類されます。原因により類似した症状を示すことがありますので、検査を組合わせることで原因を探して治療することになります。 特に当院では一次診療病院として神経学的検査を重視して診療を行っています。

大脳 cerebrum

脳の代表疾患

てんかん 全般発作 部分発作

脳腫瘍 脳炎など

大脳の病気は中枢神経系全体に影響を及ぼし、意識障害や知性・行動変化、失明、発作、歩様異常などの臨床症状を示すことがあります。

また、大脳と間脳は機能的に密接構造のため病変の鑑別が困難です。そのため、大脳と間脳を含めて前脳という用語を用います。てんかんは、原因の特定できない慢性再発性の発作のことです。症候性てんかんは大脳の組織学的転化や代謝障害を原因としておこる発作を指します。抑制不能なニューロンの過剰な電気的な発射が全体的に広がる発作を全般性発作と呼び、限局的にとどまる発作を部分発作と呼びます。脳腫瘍や脳炎はペットの年齢が高齢化してからその発症頻度が高くなるようです。

脳幹 Brain Stem

脳幹の代表的疾患

肉芽腫性髄膜脳炎 狂犬病

壊死性脳炎

中脳、橋、延髄から構成されるのが脳幹です。機能的に呼吸、心拍、排尿、排便、嚥下、嘔吐の中枢も脳幹に存在しています。他にも運動中枢や意識レベルと睡眠や覚醒に係わる行動の中枢が存在します。狂犬病ウイルスは、脳幹や大脳で複製を繰返して中枢神経系に拡散することが知られています。また、壊死性髄膜脳炎や肉芽腫性髄膜脳炎は脳幹を中心に病変が形成されることが知られています。

前庭器官 Vestibular Apparatus

前庭の代表疾患

中耳炎 内耳炎

老齢性前庭障害

前庭器官は重力や回転、加速や減速に関する情報を処理して、体の位置や平衡の維持を正常に保っています。前庭機能障害は、姿勢や歩行眼振、斜視などが確認されることがあります。中耳炎や内耳炎は、末梢前庭神経を障害することが知られています。老齢性または特発性前庭障害は高齢犬と年齢に無関係に猫で認められ、水平眼振あるいは回転眼振、捻転斜頸などの症状を示します。

小脳 Cerebellum

小脳の代表疾患

メトロニダゾール中毒

小脳の腫瘍

小脳は視覚や前庭などの情報と体の空間位置情報をを統合して、運動制御・協調させる役割を 担います。そのため、小脳の病気には、異常姿勢や異常歩行などの症状が認められます。草食動物の出生間もない赤ちゃんが、すぐに立ち上がることができるのは小脳がすでに良く発達しているためと考えられています。

メトロニダゾールは消化器疾患によく用いられることが知られていますが、犬では小脳機能不全を引起すことが極稀にあることが報告されています。髄芽腫は小脳のみに限局的に発生する腫瘍で、犬と猫で報告されています。

脊髄神経 Spinal Cord

脊髄の代表疾患

椎間板ヘルニア 脊髄梗塞 脊髄腫瘍

脊椎椎間板炎 脊髄軟化症

脊髄神経は背骨のなかを走行し、延髄から馬尾まで続いています。また、脊髄疾患の臨床症状は、その障害部位により四肢全てに影響する歩行異常を認めたり、両側後肢のみに歩行異常が限定されて認められます。脊髄梗塞は、椎間板から逸脱した髄核物質が脊髄の血行障害を起こす病気で、そのメカニズムは解明されていません。脊髄神経に影響を及ぼす腫瘍は、脊髄神経を圧迫して神経学的な機能障害を引き起こします。椎間板脊椎炎は、細菌感染により椎間板の炎症が脊髄神経を圧迫する程度により脊椎の不快感から完全麻痺まで症状を示します。

椎間板ヘルニアの詳細はこちらから

脊髄軟化症の詳細はこちらから

末梢神経 Peripheral Nervous

末梢神経・筋の代表疾患

ニューロパチー ミオパチー

外傷後単肢運動障害 神経鞘腫

末梢神経は、脳幹や脊髄と筋肉や腺組織、感覚受容器の間を接続する神経系のことです。筋肉は末梢神経ではありませんが、機能的に近いため、一緒に分類してあります。症状として、四肢の不完全麻痺や麻痺、脊髄反射の低下や消失、筋緊張の低下や消失などの運動神経障害が多く認められます。神経機能の減退を原因とするニューロパチーや筋群の機能減退によるミオパチーなどの原因に分類されます。腕神経叢裂離などは屋外で飼育している猫で外傷後単肢運動障害としてごく稀に認められます。末梢神経鞘から発生した腫瘍が、ごく稀に犬と猫で抹消神経や神経根を侵襲することがあります。

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