マリー動物病院 | ノミとマダニ

埼玉県川越市の動物病院、マリー動物病院

マリー動物病院 ノミとマダニ

ノミのはなし

ノミは約2000種いて、小動物で重要なのはネコノミとイヌノミの2種類です。

発育過程

発育過程

ノミの発育過程は、卵 幼虫 蛹 成虫となります。卵~蛹は生活環境で、成虫は乳類に寄生して過ごします。いったん、成虫が寄生すると原則的に動物の体から離れません。そして、この成虫はノミの現存数の凡そ5%に過ぎず、残りは生活環境に潜んでいることになります。

寄生部位

多く認めらる病変部は、背側の腰からお尻にかけて丘疹や脱毛などを認めると同時に、黒胡麻のようなノミの糞や動くノミを確認することで診断します。ノミが見つからない場合もあるので、要注意です。因みにノミは、活発に動き回る特徴があります。

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの成虫は宿主から吸血する際に、ノミの唾液に含まれるヒスタミン類似物質がペットの体内に入り、ノミアレルギー性皮膚炎を引き起こすことが知られています。この原因となるのはネコノミで、アトピー素因のある犬猫では罹患しやすいと言われます。原発疹は丘疹ですが、激しい痒みのために脱毛、落屑などの2次性病変が現れます。

治療

基本的には、内服薬や滴下剤など様々な種別(犬や猫)、体重別、年齢別、有効期間など様々に異なる形のノミ持続性駆除薬が動物病院で販売されているので、それぞれのペットに合った薬品を処方してもらうのが良いと考えられます。

マダニのはなし

日本でマダニ科はおよそ30種ぐらい報告され、そのうちフタドケチマダニなど数種類のマダニが、主要にペットに寄生することが知られています。

マダニのはなし

発育過程

マダニの発育過程は、卵から孵化した幼虫は、哺乳類や鳥類の血液液を吸血して、若虫、成虫へと成長していきます。地表近くの草などに登り、寄生する機会を待っています。これは、マダニの脚にある感覚器により、寄生する哺乳類などの臭気や炭酸ガス、体温や振動を認知することにより可能となります。また、マダニは気温が上昇する春から夏にかけて活動性が増し、ペットへの感染が多くなります。 また、マダニは毛の密生していない耳介の内側、腋窩や下腹部、四肢の指の間、顔面などに寄生しているのを発見することが多いです。

病態

マダニの吸血行動は多量のマダニの吸血で貧血を招きますし、マダニの唾液タンパク質によるアレルギー反応、マダニ媒介性疾患リスクの高まりや唾液中に含まれる生理活性物質がダニ麻痺と呼ばれる神経症状を引起すことが極まれにあります。 近年、マダニ媒介性疾患として重症熱性血小板減少症候群(SFTS)も人やペットでの報告が増加しています。

治療

基本的には、内服薬や滴下剤など様々な種別(犬や猫)、体重別、年齢別、有効期間など様々に異なる形でダニ持続性駆除薬が動物病院で販売されているので、それぞれのペットに合った剤型の薬品を投薬するのが良いと思います。また、小数のマダニを発見した場合、ダニの付着直後であれば容易に除去できますが、顎の長いダニによる吸血や時間経過が長い場合などは除去困難な場合もあります。その場合は、動物病院でマダニを取除いて貰うのが良いと思われます。

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