マリー動物病院 | ワクチン抗体価測定とワクチンアレルギー

埼玉県川越市の動物病院、マリー動物病院

マリー動物病院 ワクチン抗体価測定とワクチンアレルギー

ワクチン抗体価測定

経緯

ワクチンは特異的な治療薬の無いウイルス病の予防に多大な効果を持つ。その重要な役割によりワクチン製造者は、1年毎の追加接種を推奨していました。また、ワクチンの抗体価を測定できる環境にもなかったため、殆どの獣医師は犬も猫もフェレットに混合ワクチンの毎年追加接種を行ってきました。

技術向上

しかし、近年になり本当に抗体価は1年後に低下しているのか?という疑問を調べることができるようになりました。現在、犬と猫だけですが、採血をすることで血液中のウイルス抗体価を測定可能になりました。測定するのに5日前後必要ですが、混合ワクチン接種の必要性を調べるのは非常に有益なことに思います。下記に犬と猫の抗体価の測定可能なウイルス疾病をそれぞれ記しました。

犬と猫の抗体価測定

犬と猫ではそれぞれ以下に記載しているウイルスの抗体価が測定可能となっています。

犬ジステンパーウイルス抗体価

犬パルボウイルス抗体価

犬アデノウィルス抗体価

猫パルボウイルス抗体価

猫カリシウイルス抗体価

猫ヘルペスウイルス抗体価

動向

徐々にではありますが、最近はワクチンの抗体価を測定してから、ワクチンの追加接種を希望する飼主さんが増えています。特に混合ワクチンに対してアレルギー反応を示したペットや老齢のペットにとって非常に有益と思われます。あるいは、混合ワクチン接種にあまり良い印象を持っていない飼主さんも測定する傾向があります。

抗体価を調べられる時代になった昨今、抗体価を検査してから接種するのは本当の意味で健康を持続することに繋がるのかもしれません?

ワクチンアレルギー

アナフィラキシーショック(即時型反応)

ワクチン接種後に最も強いアレルギー反応として、アナフィラキシーショックが知られています。これは、ワクチン接種後に虚脱、チアノーゼ、低血圧、低体温、呼吸困難、呼吸速迫などの呼吸器および循環器症状を示す即時型アレルギー反応です。実際には、ワクチン接種直後から1時間以内に発現することが殆どで、動物病院内か帰りの道中で飼主さんは様子の異変に気付くことになります。

アナフィラキシーショックは、死亡するケースも報告されており、すぐに治療が必要になりますので、ワクチン接種して1時間はペットの状態を確認しておくと良いでしょう。さらに、呼吸・循環器症状と共に皮膚症状や消化器症状を示すこともありますので、お気を付けください。

非即時型反応

ワクチン接種後の最も多く認めらるのは、眼瞼や口唇周囲の腫脹や浮腫、皮膚の紅斑や痒みなどの皮膚症状を示す非即時型アレルギー反応です。これは、ワクチン接種して数時間から24時間で症状が発現します。殆どが自宅へ帰宅してから気付くことになります。この場合も治療が必要になりますので動物病院へ受診してください。

一過性副反応

各種ワクチンメーカーの能書には、一過性の副反応として発熱、元気・食欲減退、嘔吐、下痢や注射部位の疼痛、熱感、発赤、掻痒、腫脹、硬結などが記載されています。これらの一過性の症状が認められた場合においても獣医さんの診察を受けることをお勧めします。

注意事項

愛犬や愛猫の体調が良いことを確認して、混合ワクチンを接種することが大切です。ワクチン接種前後2~3日は、激しい運動やシャンプー、長時間の移動などは避けて、安静に過ごすと良いでしょう。

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